思ってたよりも給料が少ない…ガールズバーバイトの天引きシステムって何？

最近では、キャバクラやガールズバーでWワークするOLさんや女子大生が増加していると言われています。これらのお仕事は、求人情報誌などを見ても、他の一般的なアルバイトと比較して、圧倒的に高い時給が目につき、「高収入が得られる」ということを期待して初めてのナイトワークに足を踏み出している方が多いのです。

しかし、今までナイトワーク業界に縁がなかった人であれば、この業界特有の『天引きシステム』についてチェックしておかなければ、後々痛い目に遭う可能性が高いのです。このサイトでも、時々お問い合わせがあるのですが、「せっかく時給が高いガールズバーを選んだのに、思ったよりも給料が全然安い…」というものです。ナイトワーク業界では、あるあるな現象なのですが、今まで業界の常識に触れたことのない人からすれば、なぜ自分の計算と実際に支払われるお給料がこんなにも違うのか…ということに疑問を持つようです。実は、こういった場合には、お店の天引きが多めに引かれてしまっているのが原因です。

ナイトワーク初心者からすると「そもそも天引きって何？」と思うかもしれませんが、ナイトワークで働くのであれば、絶対に知っておきたい制度です。そこで今回が、ガールズバーなどのナイトワークにおいて、よくある天引きシステムをご紹介します。

天引きってなんだ？

それではまず、基本となる『天引きとは？』という部分についてご紹介しましょう。これについては、そこまで難しい話ではなく、時給などで稼いだお給料から差し引かれるお金のことです。

どのような業界でも同じですが、何らかの仕事で働いていて、稼いだお給料に関して、全て自分の手元にもらえるものではありません。ガールズバーなどのナイトワークに関わらず、お給料から一部のお金を差し引かれてしまうという制度はどこにでもあるのです。差し引かれるお金の中でも、最も有名な項目で言えば所得税などの『税金』ですね。

他にもいろいろあるのですが、ナイトワーク業界は特にこの天引きの項目が多い業界でもあるので注意が必要です。悪徳な店舗であれば、求人情報誌で極端に高額な時給を提示し、実際にはたくさんの天引きの項目で全く稼ぐことができない…なんてお店もあるのです。したがって、ガールズバーなどで働く場合には、どのような項目の天引きがあるのかを、入店前に確認しておかなければいけません。
ここでは、わかりやすいように、ガールズバーなどのナイトワークでよく見かける天引き項目をまとめてご紹介しておきます。もちろん、以下で紹介する天引き項目が全て反映されるわけではありませんよ。

よくある天引き項目は？

それでは、ナイトワーク業界でよく見かける天引き項目についてご紹介しましょう。お店によっては呼び名などが違う場合もありますが、それぞれの意味を知っておけば、天引きされても仕方ないもの…と、そんなものまで天引きするのか…と悪徳店を見極めるポイントになるので、ぜひ覚えておきましょう。

源泉徴収

まずは『源泉徴収』です。これはどのお店でも天引きされることになりますので、「絶対にあるもの」と考えておきましょう。
ナイトワーク業界では、源泉徴収として「10%の天引き」を採用しているお店が多く、俗にテンパーと表現されることが多いです。通常のお店であれば「総支給額の10％を給料から天引きする」ということになっているのですが、それよりも高いパーセンテージが天引きされる場合は、悪質なお店と判断できるでしょう。

雑費

雑費は、お店であなたが働くうえで必要になる経費の一部を負担させるため、天引きするものです。
この雑費に関しても天引きするお店は多いです。何を雑費として含めているかはお店によって異なるのですが、例えば、お店にある化粧道具や休憩時の飲み物など、消耗品が主となります。
雑費として天引きされる金額の相場は500円程度が多いです。

送迎代

ナイトワークは、仕事終わりには電車やバスなど公共交通機関の営業が基本終了しています。そのため、お店側が専属ドライバーを用意して、自宅近くまで送ってくれる制度があるのです。
送迎代は、その際に発生する費用で、1日利用して500円ぐらいが相場です。タクシーなどで帰宅することを考えると破格の安さになります。お店によっては送迎代を無料にしている場合もありますが、これはかなり良心的と言えるでしょう。

福利厚生費

福利厚生という言葉は一度ぐらいは耳にしたことがあるでしょう。これは、お店側がキャストに何らかのサービスを提供する際にかかる費用です。何に対する費用なのかはお店によって全く異なりますので、もしこれが含まれている場合にはお店に確認しておきましょう。
ただし、ナイトワーク業界で福利厚生費を採用しているお店はごく一部です。

衣装代（クリーニング代）

コスプレ専門のガールズバーなどであれば、女の子が仕事中に着用する衣装を用意しておき、それを貸す、クリーニングに出すなどの名目で天引きするお店があります。
衣装代に関しては1日500円程度が相場です。ただし、ガールズバーに関しては服装自由で、私服で勤務するお店も多く、そういったお店では引かれることはありません。もちろん、コスプレ専門店の中にも、衣装代を天引きしないお店もあります。

厚生費

厚生費は、ヘアメイクや送り、ドレスなどのレンタルをまとめて天引きするときの項目です。
「上にもあったぞ…」と思った方がいるかもしれませんが、意味合い的には雑費とほぼ同じで、お店によって雑費と書いたり厚生費と書いたりするだけです。つまり呼び名の違いです。
ガールズバーでは、私服で出勤してそのまま働くというお店が多いので、構成比が天引きされることはあまりありません。キャバクラではよく見かける天引き項目ですので頭に入れておきましょう。

日払い手数料

お店によってお給料の支払い方は異なりますが、一般的には月単位で受け取るのがルールです。しかし、場合によっては働いたその日にどうしてもお金が必要で、日払いの相談をすることもあるでしょう。
そういった場合にはその手数料として10%程度天引きされることがあります。お店の中には、そもそも日払いでお給料を支払うお店もあるので、そのようなお店では取られないでしょう。

店舗維持費（備品調達費）

天引き項目の中でも、特に意味不明なのが『店舗維持費（備品調達費）』です。
これは、お店を維持するための費用という定義で、コップやティッシュなどの消耗品を購入する費用とされています。しかし、よく考えてみると、この費用に関しては雑費に含まれているようなものですし、そもそもお店の運営にかかる費用を働く女の子が支払うのはどう考えてもおかしな話です。本来お店が負担しなければいけない費用を、女の子に負担させようとするもので、こういった天引き項目があるお店は悪質なお店と疑った方が良いです。
特に、雑費と店舗維持費の両方が引かれている場合には注意が必要でしょう。

罰金

ナイトワークのお店では、お店ごとに色々なルールが作られており、そのルールを破ると罰金が課せられるのです。天引きとは少し意味合いが違いますが、引かれるものは何かは入店時に確認しておきましょう。
基本的には「遅刻」「当日欠勤」「無断欠勤」などをした場合に決められた金額がお給料から引かれるというものです。
この罰金に関しては、お店に女の子が来ないと困るため作っている制度という側面が強く、罰金制度があるから悪質なお店という訳ではありません。そもそも、ルールを守れば引かれないものですので、入店時に何が罰金対象なのかを確認しましょう。

まとめ

今回は、ナイトワーク業界に存在する天引きの詳細についてご紹介しました。キャバクラやガールズバーのアルバイトは、求人情報誌に非常に高額な時給が記載されているため、そのお給料の高さに惹かれて働き始める人が増加しています。しかし、本稿でご紹介したような天引き制度の存在を知っておかなければ、予想以上に天引きされてしまい、想定していたよりも全く稼げなくて困る…なんて状況になりかねません。

基本的には、源泉徴収の10%の天引きがどのお店でもあると考えて良いのですが、その他の天引き項目はお店によって異なります。誰でも天引き項目はできるだけ少なくしたいと考えるのでしょうが、その対策はどうすれば良いのでしょうか？答えから言ってしまうと「悪質なお店には入店しない」ということに限ります。お店の面接時には、どういった天引き項目があるのかをきちんと確認しておき、入店を決める前に本当に稼げる時給を自分で判断するしかありません。もしよく分からない天引き項目があり、質問したとしてもそれに明確に答えてくれないようなお店であれば、入店するのはやめておいた方が良いでしょう。
ナイトワーク業界は、健全に営業しているお店が多いですが、中には女性を食い物にする悪質なお店があるのも事実です。しっかりと、きちんとしたお店なのかを判断する目を持っておかなければいけませんよ！